遺言書作成に向けて

 遺言書が有効と思われるケースをあげてきましたが、このケースに当てはまるから絶対に遺言書が必要ということではありません。
 また、ケースにあてはまらなくても遺言書があったほうがよかったとなる場合もあります。
 遺言書は、作成した人が亡くなった後に、親族がどのように感じ、受け止めるかということであり、その時にしか結果は分かりません。
 しかし、遺言書があれば、作成した人の想いや遺産分割の方向性が確認できるなど、非常に大きなメリットがあると思います。

 では、遺言書を作ろうと思ったとき、スムーズに作成ができるのでしょうか?

 遺言書の原案作成や作成のサポート、公正証書役場との調整などは専門家に依頼する方法があります。
 ただし、誰にどの資産を引き継ぐのか、残された親族への想い等は、自分で考えていくこととなります。

 すでに資産の分配も決めている場合は比較的短期間で内容がまとまると思われますが、中には考えがまとまらない、複数の資産があり引継ぎ者を決めるのに時間がかかるといった場合もあるのではないでしょうか。
 資産の分配等について、これまであまり気に留めてなかった方にとっては、いきなり遺言書作成にとりかかるのは難しいかもしれません。
 そのような場合は、先にエンディングノートを作成するのも一つの方法です。

 エンディングノートを作成する中で、自分の相続人の確認や自分の想いの整理、どのような資産があるのか、それらを誰にどのように引き継ぐのかといったことを順番に確認していくことができます。
 ひとつづつ順番に確認していくことで、それぞれの項目について、抜け漏れがないかの確認もできます。
 考えの整理をしたい方などは、エンディングノートの活用が特に有効と思われます。

 【注意点】
 現在、非常に多くのエンディングノートが存在しています。
 書店などで購入するもの、セミナー参加などでもらえるもの、住んでいる市町村で配布されるものなど、様々な入手方法があります。
 しかし、エンディングノートといっても、その中のページを見てみると、記載項目が異なっていたり、たくさんの記載が必要なものもあれば、記載箇所が少ないものもあります。
 エンディングノートを活用しようと考えた際には、必ず2~3種類のエンディングートを比較し、自分に合った(自分が書きたい、残しておきたい項目がある)ものを選ぶようにしましょう。
 内容を変えたい場合は、新しいエンディングノートを作ることも可能です。
 複数のエンディングノートがある場合は、原則として新しいものが有効となりますが、作成日が書かれていないと、どれが新しいのかわからなくなってしまいますので、必ず作成日を記入しておきましょう。