遺言書作成(ケース3)

 法定相続分による相続は、遺言書がない場合にもっとも参考にされる根拠となります。
 しかし、全ての相続において法定相続分が最も効果的であるとは限りません。
 それぞれの相続時の状況によって、法定相続分に基づいて円滑に相続が行えるケースもあれば、法定相続分で分けることによって支障が生じるケースもあります。
 このような場合は、遺言書により財産の分け方などを伝えることで、相続後の支障が発生を抑える予防効果が期待できます。

 法定相続分で均等に分けると支障が発生する可能性がある、以下のケースでは遺言書が有効と思われます。

【財産の大半が不動産の場合】
 主な財産が土地や自宅の場合、法定相続分で分割するのは注意が必要です。
 建物については物理上2つに分けることができません。
 また、土地については、宅地用地を2つに分けてそれぞれの所有にすることは可能ですが、それらを一体として宅地利用していることから、利活用の面からはメリットはほとんどありません。
 土地と建物を物理上分けるのではなく、権利(所有権)で調整する方法もあります。(相続人の共有名義にする。)
 しかし、この場合、売却したい又は修繕が必要となった場合に、意見が食い違うとそこから先ヘは進めなくなります。
 また、その後の相続のたびに相続人が増えていくこととなり、利活用がますます困難となる可能性があります。
 できるだけ共有にはしないように、単独での承継ができるように遺言で指定するなどの工夫が大切です。

【事業用の財産がある場合】
 事業用の資産が多くある場合、法定相続分による分割をすると、事業の継続が困難となる可能性があります。
 例えば個人事業主として親子で経営していた場合などは、その事業で必要な建物や用地、自動車や機械などの他、事業運営用の資金については、今後も経営上必要不可欠なものとなります。
 事業に必要なものは後継者に引き継ぎ、それ以外を他の相続人で分割するなどの工夫が必要です。